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 群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が8月に同県中之条町の山林に墜落し乗員9人全員が死亡した事故から10日で1カ月。県は、運航業務について民間委託から自主運航への切り替えも視野に検討している。今回の事故で県からヘリ運航の業務委託を受けていた民間会社「東邦航空」(東京)のずさんな対応が明らかになったためという。

 同社は事故前に国に提出した飛行計画で経由地の予定を記載せず、到着が確認できないまま国に「到着した」と報告していた。県も同社から報告を受けるまで把握しておらず、運航を同社に任せきりにしていたことも問題視されている。

 こうした運用について国土交通省は8月16日、県に対し「航空法違反にあたり、捜索の遅れにつながった可能性がある」として原因の調査と再発防止を求める行政指導をした。

 県は今月10日付で「防災航空体制検証・再建室」を設置。後継機の選定を進める一方で、運用面についても検討を始める。民間委託でなく、県が操縦士を直接雇用するなどの自主運航も検討する。総務省消防庁の今年4月の調査では、消防防災ヘリを保有する全国55団体のうち、自主運航は19団体あった。

 県の担当者は「安全運航が最優先だが、コスト面も考慮しなければならない。すべて白紙の段階から検討していく」と話す。(寺沢尚晃)