野口拓朗
静岡市清水区の女性が、犬猫などのペット火葬サービス業を起業した。事務所で受け入れるほか、火葬車を自ら運転し、飼い主宅の敷地で弔う。長年かわいがっていた牧羊犬が老衰死した約20年前の苦い体験が、起業のきっかけだ。
清水区原にある「ペットセレモニーきずな」を訪ねると、平屋の事務所前にバンタイプの移動火葬車が止まっていた。代表の酒井恵さん(43)が後部を開けると、火葬台と炉が現れた。火葬時間は体重5キロ級の小型犬で45分、体重25キロ級の大型犬で約1時間。燃料は灯油で温度は850~1千度。残るのは人と同様、骨のみだ。
電話で予約を受ける際、訪問か引き取りか来社かの三つから選んでもらう。傷みが進まないよう、特に腹部や首をドライアイスや保冷剤で十分冷やしてもらうようお願いする。来社の場合は、事務所の敷地で執り行う。人同様、布団や籠に納めて火葬する場合は別料金がかかる。
線香をあげて最後の別れをし、炉をつける。「『ありがとうね』、『がんばったね』と飼い主様が遺体に声をかけます。親族が亡くなった時と同じような光景です」と酒井さん。
火葬中、飼い主は事務所で待機…
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朝日新聞社会部