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 スルガ銀行(静岡県沼津市)の若手行員のもとに7月中旬、1通のメールが届いた。全行員にあてられたもので、こう記されてあった。

 「経営者として心よりおわび申し上げる」「スルガ銀行で働いていることを誇りに思い、安心して仕事できるよう経営が責任を持ってこれからの道を必ずつくりあげていくことを約束する」「創業以来幾多の困難を乗り越えて今日に至ったように、全社員の心をひとつにし、共に歩みを進めていこう」

 差出人名は、創業家出身の岡野光喜会長兼CEO(最高経営責任者、当時)。1985年の頭取就任以来30年超も経営トップの座を占めたが、現場の仕切りは実弟の元副社長(故人)に任せることが多く、こうしたメールが届くのは異例だった。行員は「米山明広社長(当時)は辞任させても、自分は経営トップに居座り続ける意欲のあらわれ」と受け止めたという。

 メールには「順次皆さまのもとに伺い、忌憚(きたん)のない意見、おもいを聞き、未来への行動や変化に反映していきたい」とも書かれてあった。岡野氏が営業現場を訪ねることなど今までほぼ皆無だった。

 だが現場訪問はないまま、8月下旬に行員は「岡野氏が辞任の見通し」とのニュースをメディアで知った。辞意が報じられたのは、第三者委調査や金融庁検査が大詰めを迎えた時期と重なる。調査や検査の厳しい内容が次第に明らかになり、経営責任を問う声が高まっていた頃だ。

 第三者委が今月7日公表した調…

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