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 創部100周年を迎えた早大ラグビー部で、復活の鍵を握るのが、学生唯一の日本代表候補だ。スクラムハーフ(SH)の斎藤直人(3年)。関東対抗戦の開幕から、素早く正確なパスで攻撃を導いた。筑波大を55―10で下す快勝スタートにつなげた。

 筑波大戦(9日)の流れを引き寄せた前半の2トライ。いずれも右隅からの連続展開で左隅に決まった。2度、3度と小気味よくパスをさばいた斎藤が肝だった。キッカーとしても、狙ったゴール9本中7本を成功させた。「内容も結果もよかった」と手応えを得た。

 密集から左右にボールを散らすSHは、いわば扇の要。身長165センチ、体重75キロと小柄な斎藤は、その小ささを強みに変えて要の役割を果たす。投球動作がコンパクトで速いから相手FWに邪魔されにくい。結果、パスを受けた味方バックスに余裕が生まれる。

 そんな斎藤の存在感が今季は増しそうだ。強化方針が揺れたここ数年を経て就任した相良南海夫・新監督は「原点回帰」を掲げ、早大伝統の機敏な組織プレーで8季ぶりの対抗戦優勝、10季ぶりの全国選手権制覇をめざす。スクラムに不安を抱える中、「重要なのはハーフ団(斎藤とSO岸岡)の出来と試合運び」。斎藤本人も自覚する。「(FWが苦戦しても)ミスなくパスを出し続けたい。もっと精度を上げないと」

 3歳でラグビーを始め、中学からSH。神奈川・桐蔭学園高3年時は主将として全国大会準優勝を経験した。早大では1年生から定位置をつかみ、8月末、日本代表候補47人に大学所属でただ一人選ばれた。「周りから見られているという意識が強まった。代表候補という肩書に恥じないプレーをしたい」

 SHには斎藤のほか、トップリーグで活躍する田中(パナソニック)、流(サントリー)ら計5人が名を連ね、来年のワールドカップ日本大会出場へ競争は厳しい。ただ、「受け身にならず、チャレンジする」。代表候補最年少の21歳に気後れはない。(中川文如)