【動画】「豊かな海を知ってほしい」辺野古・大浦湾のダイバーたち=恵原弘太郎、恒成利幸撮影
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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる名護市の東岸に位置する大浦湾には、貴重な生き物と自然環境が残る。

 政府による埋め立て工事に備え、沿岸海域がコンクリート護岸で囲まれた辺野古崎。今月上旬、その対岸の安部崎に近い海に潜った。水深15メートルほどのところに、アオサンゴの群体が広がっていた。棒状のサンゴ一つ一つが樹木のように海面に向かって伸びるさまは、まるで森だ。

 大浦湾のアオサンゴは、日本自然保護協会などの調査で、沖縄周辺の他の地域のものとは遺伝的に独立した系統と近年わかり、希少性が注目されている。

 近くには、高さ5メートルほどのハマサンゴもあった。キノコの傘が幾重にも重なったような形でそびえ立つ。サンゴのすき間を縫うようにスズメダイやテングカワハギが泳ぎ回っていた。

 河口にはマングローブの森があり、海底はサンゴ礁や泥が広がる。その環境が多様性を育む。県によると、ジュゴンやアカウミガメなど絶滅危惧種262種を含む5800種以上の生物が生息する。最近も新種が見つかっている。

 研究者らは移設工事により、潮の流れが大きく変わったり、埋め立て用の土砂と一緒に外来種が入り込んだりして、生態系が大きく変わる可能性を指摘する。

 大浦湾の調査や撮影を続けてきたダイビングチーム「すなっくスナフキン」の西平伸さん(61)は「人に知られることのないまま絶滅してしまう生き物がいるかもしれない」と話した。(吉田拓史)