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 世田谷区が進めていた、旧東急玉川線(玉電)の車両の補修が完了した。東急世田谷線宮の坂駅前に展示されていたが傷みが激しく、ふるさと納税方式で修復費用を募り、283件、計561万6千円の寄付が集まった。

 車両は1925(大正14)年製造の「デハ87号」。69年に渋谷~二子玉川園間を走っていた玉電が廃止され、70年に神奈川県の江ノ島電鉄(江ノ電)に譲渡された。90年に区に寄贈され、宮坂区民センターに設置されて住民の休憩スペースとして利用されている。

 2008年に始まったふるさと納税制度で、世田谷区の税収減は今年度40億円を超える見通しとなっている。減収対策の一環として区は、特定の使途について区民以外からも幅広く寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング」を導入。車両の補修は昨年12月からふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」などで募集し、1万円以上寄付した人の名前を車内に掲示した。

 目標の660万円には届かなかったが、保坂展人区長は「プロジェクトとしては大きく成功した。寄付を何に使い誰が受益者になるのか、明確にすることが大事という教訓が得られた」と総括した。(吉野太一郎)