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 6日未明の地震で壊れた北海道最大の火力発電所、苫東厚真(とまとうあつま)発電所(厚真町、165万キロワット)について、経済産業省と北海道電力は11日、全面復旧が11月以降になるとの見通しを示した。これまで「1週間以上」と説明していた復旧時期が大幅にずれこみ、市民生活や企業活動に影響が広がりそうだ。

 経産省と北電によると、3基ある苫東厚真の再稼働時期は、1号機(35万キロワット)が9月末以降、2号機(60万キロワット)が10月中旬以降、4号機(70万キロワット)が11月以降(3号機は2005年に廃止)。

 復旧が遅れる理由について、北電の阪井一郎副社長は「点検が進むにつれ、損傷していた場所が多く見つかった」と説明した。

 北電によると、1号機ではボイラー内に通る配管が2本、2号機では11本の損傷がみつかった。1号機より2号機の方が被害を受けた配管の数が多い分、復旧には時間がかかるという。

 復旧が遅れる4号機はタービンから出火し、内部の温度がまだ90度あるという。作業員が入れないため、冷えるのを待って16日以降に点検を始める。タービンを分解し、損傷部分を修理、交換するなどして組み立て直す必要があり、1、2号機よりさらに時間が必要になる。

 供給力を積み上げるため、北電はトラブルで停止中の京極揚水発電所(京極町)の1号機を13日に、定期点検中の2号機(それぞれ20万キロワット)を14日に相次いで再稼働させると発表した。14日の供給力は400万キロワット前後に達し、計算上は昨年9月の最大需要(383万キロワット)を上回る。

 地域と時間を事前に知らせて電力を止める計画停電は、回避される公算が大きくなった。世耕弘成経産相は11日、訪問先の北海道で報道陣に「京極が立ち上がれば、計画停電の実施リスクは一定程度低下する」と説明。北電も12、13日は計画停電を実施しないと発表した。

 ただ、今後は徐々に暖房が使われ、電力需要は増える。加えて北電は休止予定だった老朽火力発電所を急きょ立ち上げて供給力をかき集めており、トラブルで休止する可能性もある。実際、地震後に動かした石油火力の音別(おんべつ)発電所(釧路市)1号機(7・4万キロワット)は7日に停止。2号機も11日にガスタービンの不具合で自動停止した。

 政府は、道内の家庭や企業に求めている2割の節電は今週中は続ける方針だ。来週以降の節電目標については「北電などと相談する」(世耕経産相)としている。苫東厚真1号機が予定通り9月末に立ち上がるかどうかが、節電の期間を左右する目安になる。(上地兼太郎、関根慎一)