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 台風21号で被害を受けた関西空港の発着便の受け入れについて、大阪(伊丹)空港周辺の自治体でつくる「大阪国際空港周辺都市対策協議会」(10市協)は12日、国が要請していた国際線を含む増便を容認する方針を固めた。藤原保幸会長(兵庫県伊丹市長)が同日、記者会見で明らかにした。10市協として正式決定したうえで、早ければ12日中にも国土交通省に回答する。

 関空の全面復旧に見通しが立たない中、国交省が10市協側に、国際線を含む1日40便の増便と運用時間の1時間延長を要請していた。国交省は神戸空港を所有する神戸市にも同様の対応を要請しており、同市は受け入れる方針。関西への空からのアクセス減を主要2空港で補完する異例の対応になる。

 10市協は大阪府豊中市や池田市、箕面市、吹田市、兵庫県西宮市、宝塚市、川西市、伊丹市、尼崎市、芦屋市がメンバー。12日、このうち伊丹市や豊中市など5市の首長らが会合を開き、回答方針について約1時間協議した。増便を容認する条件として、増便期間を明確に設定することや、低騒音機材の導入を求めることで一致。運用時間の延長は行わないが、航空機が遅延しても着陸を受け入れることにした。

 その後の会見で、藤原会長は「関空の国際拠点空港としての機能が大きく損なわれた。関西全体、日本全体に大きくマイナスに影響している。伊丹は補完機能を果たし、できるだけ協力するべきだ」と説明した。時間延長については「騒音の影響を受ける市民を説得できない。地元としては延長は認められない」と語った。

 関空は4日の台風直撃に伴う高潮で第1滑走路がある1期島が広範囲で冠水。さらに、風で流されたタンカーが連絡橋に激突し、南側車線と鉄道線路が損傷した。訪日外国人客(インバウンド)への影響が大きいことから、大阪府の松井一郎知事が6日、首相官邸で和泉洋人首相補佐官に会い、全面使用できない間、伊丹と神戸の両空港で国際線などの代替機能を担えるよう要請。国の協力を取り付けていた。

 関空では国際線と国内線で1日約480便(夏のピーク時)が離着陸しているが、11日現在の運航数は今夏の通常ダイヤの15%にとどまっている。(宮武努、辻森尚仁、坂本純也)