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 テニスの全米オープン決勝で抗議するセリーナ・ウィリアムズ選手を取り上げたオーストラリア紙の風刺画が物議を醸している。コート上で激怒する様子を描いた表現に「黒人や女性への差別だ」と著名人から批判が出る一方、風刺画の作者は「彼女の行為を批判した」と反論している。

 風刺画は、豪メルボルンの大衆紙「ヘラルドサン」風刺画家マーク・ナイト氏の作品で、10日に掲載された。壊したラケットの横に赤ちゃんのおしゃぶりが転がるコート上で、セリーナ選手が地団太を踏み、後方では審判が対戦相手に「彼女に勝たせてやってくれないか」と話す様子が描かれている。

 この表現に、米国の黒人活動家ジェシー・ジャクソン師は「人種差別は受け入れられない」、英国の「ハリー・ポッター」シリーズの作者J・K・ローリングさんは「よくも世界で最も偉大な女子選手を人種差別と性差別で表現してくれた」とそれぞれツイートした。

 ツイッター上ではこれらの意見に多くの賛意が寄せられる一方、セリーナ選手の行為への批判から、差別とは思わないとの書き込みも見られる。また、大坂なおみ選手とみられる対戦相手が金髪の女性として描かれていることに違和感を示す声も出ている。

 同紙(電子版)は11日、社説で「スポーツ選手らしくない行為を正しくあざけった。その行為で大坂なおみ選手が勝利を祝う機会を奪いもした」と反論。ナイト氏の「描いたのは、セリーナ選手の哀れな振る舞いについてで、人種(差別)についてではない」との談話も紹介した。(ウェリントン=小暮哲夫)