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 県は18日、土地取引の目安となる県内の基準地価(7月1日現在)を公表した。県全体の平均変動率は0・7%減で26年連続の下落となった。上昇する都市部と下落する郡部の二極化傾向は続いているが、下落幅は縮小。専門家は「価格水準でみると底に近づいてきているのではないか」と分析している。

 調査は県内27市町村の計366地点で用途を「住宅地」「宅地見込み地」「商業地」「工業地」「林地」に分けて実施された。選定替えは1地点で、365地点で継続調査した。

 全用途平均では、20年以上下落を続けていた倉敷市が新たに0・1%上昇に転じた。調査に関わった不動産鑑定士の藤原康正さんは「住宅地の価格が下げ止まりし、商業地の価格が駅周辺の再開発で上がっている。この二つの効果で、全体が押し上げられた」と指摘する。

 商業地の平均変動率は0・2%減で、27年連続の下落となった。

 岡山市は上昇したが、前年の1・8%から1・9%と上昇幅はわずか。倉敷市は0・7%(前年0・2%)、総社市は0・6%(同0・1%)とそれぞれ上昇幅を伸ばした。

 昨年に続き変動率が最も大きかったのは岡山市の市役所筋「両備ビル」周辺(北区錦町6―1)で、7・2%上昇した。藤原さんは「常に上昇している地点だが、イトーヨーカドー岡山店の跡地開発や、駅周辺の雑居ビルの建て直しの動きが具体的になりつつあり、上昇幅が拡大したのでは」とみる。

 下落から新たに横ばいに転じたのは瀬戸内市、浅口市、美咲町の3市町。長期間下落し続け、住宅地と同じ水準まで価格が下げ止まりしているという。

 住宅地の平均変動率は1・0%減(前年1・2%減)で21年連続で下落したが、下落幅は縮小した。

 早島町は上昇幅は縮小したが、0・4%(前年1・1%)上昇。新しい団地も造成され、ベッドタウンとしての需要が高いという。岡山市も0・4%(前年0・2%)上昇したが、そのほかの市町村は全て下落した。新見市は2・8%減で下落率が最も大きかった。

 商業地・住宅地とも都市部では上昇が見られるが、過疎地域で下落幅が大きいため、全体では下落が続いている。藤原さんは「基準地価は公示地価と違い、過疎地域の調査地点も入り、なかなかプラスにならない。二極化が広がっている」と語る。

 工業地(0・6%)と宅地見込み地(0・3%)はそれぞれ上昇した。工業地は継続調査地点のある9市のうち、岡山市、倉敷市、笠岡市、総社市、瀬戸内市、赤磐市の6市で上昇、その他の市は下落した。(沢田紫門)