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 台風21号の被害で大幅な機能縮小に陥った関西空港を、大阪(伊丹)と神戸の両空港で補完する枠組みが決まった。関空閉鎖から約1週間という「スピード決着」。日本経済全体への影響を懸念する政府が主導し、地元で長年くすぶってきた3空港のすみ分け議論を棚上げした格好で、特例的な対応に踏み切った。

 「関西全体のため、日本全体のために(地元住民には)理解いただきたい」

 12日、兵庫県伊丹市役所で開かれた記者会見で藤原保幸市長はこう語った。藤原氏は大阪(伊丹)空港周辺の自治体でつくる「大阪国際空港周辺都市対策協議会」(10市協)の会長。増便を国から要請されたことを受け、地元首長が協議。国際線を含めた1日40便の増便を受け入れる方針を決めた。

 伊丹周辺では騒音被害に悩まされてきた歴史があり、一部の首長からは慎重意見もあった。だが関空の機能縮小が経済に悪影響を及ぼしているという認識から、「補完機能をできる限り果たすべきだ」と一致した。

 10市協に加盟する兵庫県川西市の大塩民生市長は12日、「(国から)『助けてほしい』と協力を求められ、増便期間を限定することなどを条件に決断した」と強調。あくまでも関空が台風被害から立ち直るまでの「特例措置」だとの認識を示した。

 背景には、3空港の「すみ分け」をめぐる議論がある。そこには、騒音問題を抱える伊丹廃止論に端を発して関西圏に3空港が共存する現状になった経緯が関係している。

 国や関係自治体などでつくる「関西3空港懇談会」は2005年、「国際線は関空のみ」と申し合わせた。神戸開港の前年で、当時不振だった関空支援の意味合いが強かった。その後、関空は訪日外国人客の玄関口として活性化。3空港の運営会社も一本化される中、計5本の滑走路の有効活用に向け、今秋にも見直し議論が本格的に始まろうとしていた。

 今回、国土交通省の要請に押され、議論を省く格好で地元は国際線の分担を引き受けた。ただ、関空の経営圧迫を避ける狙いもあって国内線のみとされてきたはずの伊丹の国際線復活を求める声もある。「復活に向けた議論の追い風だ」(財界関係者)との見方も出ており、積み上げてきた議論に影響する可能性もある。(宮武努、太田康夫、坂本純也)

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