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 11月1~11日に開かれる秋の京都非公開文化財特別公開では、あの世への入り口とされる「六道の辻」にたつ六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)と西福寺(さいふくじ)で、死後の世界を描いた絵図が公開される。絵本「じごくのそうべえ」のもとになった、落語の人気演目「地獄八景亡者戯(ばっけいもうじゃのたわむれ)」で地獄への珍道中を話す落語家の桂吉弥さんといざ、六道めぐりへご案内――。

 六道とは、仏教で生前の行いにより生死を繰り返すという地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上の六つの迷いの世界。平安時代、東山山麓(さんろく)は鳥辺野(とりべの)と呼ばれる葬送の地で、六道珍皇寺や西福寺のあたりは、六道への分かれ道ということで「六道の辻」と呼ばれた。

 六道珍皇寺で吉弥さんが向き合ったのが、別名「地獄・極楽図」と呼ばれる「熊野観心十界(かんしんじっかい)図」だ。

 江戸時代初期の作で、熊野大社などへの参詣(さんけい)を呼びかけた女性宗教者の熊野比丘尼(びくに)が持ち歩いた絵図だ。

 画面上方には人の一生と仏や菩薩(ぼさつ)などの世界が描かれるが、圧巻はかすみより下に描かれた地獄などの苦しみの世界だ。三途(さんず)の川を橋で渡る善人もいれば、激流におぼれる悪人もいる。なんとか渡っても、服をはぎとる脱衣婆が待ち受ける。

 「衣をかけた木の枝がしなるかどうかで、だいたいの罪はわかるんです。深みを泳いだ人はびしょぬれでしょ」。坂井田良宏住職の説明に、吉弥さんは「なるほど~」と納得していた。

 地獄に落ちると悲惨だ。串刺しにされてバーベキューのように焼かれたり、針山の上にいる女性に招かれて登ると、下に落ちてまた登るのを繰り返したりする。

 「リアルやし、ほんまに苦しそう。直接的な痛みもですけど、キリがないというのはつらいですね」

 そんな地獄に落ちないために重要なのが「心」だと坂井田住職は話す。「私たちの心、現世での行いが地獄も極楽も出現させるということを十界図はわかりやすく示しています」

 吉弥さんは、地獄八景を復活させた桂米朝師匠の言葉を思い起こした。「笑い話やけど、地獄が恐ろしいもんで怖いところであるという根幹は絶対に必要やで、と。いま世の中から、怖いものや恐れがなくなっている気がします。落語も笑ってもらいながら、そういうところまで伝えられたら」

 ほかにも閻魔(えんま)大王像や閻魔庁に通ったという平安貴族、小野篁(おののたかむら)像などを拝観し、この世とあの世のあわいを感じた吉弥さんだった。

■「生と死 意外と身…

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