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医の手帳・フレイル(2)

 寝たきりや要介護の要因は年齢で大きく異なり、加齢とともに「高齢による衰弱」「認知症」「骨折・転倒、関節・脊髄(せきずい)疾患などの運動器障害」の割合が高くなっています。高齢者ほどフレイル、さらに運動器の障害であるロコモティブシンドローム(ロコモ)に注意することが重要です。

 ロコモとは、運動器の障害で移動が困難な状態をいい、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、変形性関節症、脊柱(せきちゅう)管狭窄(きょうさく)症がみられます。一方、身体的フレイルでは、運動器(骨・関節、脊椎(せきつい)・脊髄、筋肉、腱(けん)・靱帯(じんたい))の障害や口腔(こうくう)機能低下がみられます。ロコモは回復が期待できる(可逆性)状態から不可逆な状態までを含み、身体的フレイルは可逆性状態をいいますが、両者は深く関係しています。

 ロコモにも身体的フレイルにも、サルコペニアがみられます。サルコペニアとは加齢や活動性の低下、悪性腫瘍(しゅよう)、低栄養、内臓器の機能の低下などで骨格の筋量が減って筋力が落ちた状態です。活動が低下すると、代謝やエネルギー消費が少なくなります。それに従い、体重減少、食欲低下、食事量の減少につながり、結果としてサルコペニアに至ります。

 またサルコペニアでは、筋量減少、筋力低下が進んで一層活動が減ると、さらなる体重減少、筋量低下へと悪循環につながります。サルコぺニアでは摂食嚥下(えんげ)機能も低下します。嚥下関連の筋肉や全身の筋量減少により食事量が低下したり、嚥下がうまくいかずに誤嚥性(ごえんせい)肺炎に至ったりします。

 サルコペニアはセルフチェックとしてふくらはぎの太さを測ることで評価できます。両手の親指とひとさし指で輪をつくり、ふくらはぎの最も太い部位を囲みます。両手の指が互いに触れるほどに届き、ふくらはぎとの間で隙間ができる場合には筋量が少なく、サルコペニアを疑います。また握力で筋力を評価できます。

<アピタル:医の手帳>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学大学院医歯学総合研究科 遠藤直人教授(整形外科学))