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 建設資材に含まれるアスベスト(石綿)で健康被害を受けたとして、近畿・四国の元建設作業員と遺族33人が国と建材メーカー22社に7億1200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。江口とし子裁判長は国の責任だけを認めた2016年1月の一審・大阪地裁判決を変更し、メーカーの責任も認定。計3億3900万円の賠償を命じた。

 各地の地高裁で係争中の建設アスベスト訴訟で、国は10連敗となった。

 訴えていたのは1937年から2011年に解体工や大工として働いていた元作業員とその遺族。

 高裁判決は国の責任について、一審判決と同様に1975年以降に防じんマスクなどの措置を義務づけなかったと指摘。さらに石綿を含む建材の製造を禁じる措置などを取るべき時期を一審判決より4年早い91年とし、国の賠償責任の割合を一連の訴訟で初めて3分の1から2分の1に引き上げた。

 メーカーの責任についても、75年以降に建材に警告表示をしなかったとして、当時市場のシェアが高かった8社に賠償を命じた。また、個人事業主である「一人親方」についても、元作業員と同様に救済対象と認定。国に対して原告14人に計9746万円の支払いを命じた一審判決より救済範囲を広げ、原告31人への支払いを命じた。

 建設アスベスト訴訟はこれで5地高裁がメーカーの責任を認め、一人親方についても今年3月の東京高裁判決以降、3高裁で国の責任を認める結果になった。厚生労働省は「主張の一部が認められなかった。関係省庁と協議しつつ対応を検討する」としている。(大貫聡子)