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 丸刈りにされるなどのパワハラを受けたなどとして、福岡県宗像(むなかた)市の運送会社「大島産業」元社員、高山幹夫さん(40)が、慰謝料や未払いの残業代などを求めた訴訟の判決で、福岡地裁(岡田健裁判長)は14日、パワハラなどを認め、会社側に計約1500万円の支払いを命じた。

 判決によると、高山さんは2012年3月ごろ~14年3月、長距離トラックの運転手として大島産業に勤務。この間、勤務中に温泉に入ったことを理由に丸刈りにされ、洗車用の高圧洗浄機で水を噴射された▽会社近くの川に入るよう命じられ、打ち上げ花火や石で狙われた▽寮から逃げ出して土下座させられた▽これらの様子が会社の実質的な経営者のブログに掲載された――と認定。「高山さんの人格権を侵害する行為」などとして、慰謝料110万円の支払いを命じた。

 また、高山さんへの未払いの残業代を約750万円と算定。「出来高払いで合意していた」として約150万円にとどまるとした会社側の主張は退けた。

 さらに、合意なく賃金から控除された退職積立金など約150万円、未払い賃金があった会社への制裁金にあたる「付加金」約500万円の支払いも命じた。

 訴訟で「頭が皮膚病だったので髪の毛を刈った。川に入るように命じていないし、土下座は自らやった」などと主張してきた大島産業側は、「判決は到底容認できない。原告には会社として親身に対応してきた」として控訴の意向を示した。

客観的な証拠、勝因に

 「パワハラはいけないこと。なくしてほしい」。原告の高山幹夫さんは判決後の記者会見で訴えた。

 判決は、高山さんが運送先から戻る途中で温泉に入ったことを理由に丸刈りにされたり、会社の寮から逃げ出した後に所持金が尽きて戻った際、土下座させられたりしたことを認めた。

 高山さんは当時の状況について「体育会系の部活みたいな感じだった。楽しんでいたので、ブログに載せたのだと思う」と振り返った。その上で、「やられた側は悔しかった。会社には同じようなことをしないでほしい」と訴えた。

 原告代理人の光永享央(たかひろ)弁護士は「パワハラは、被害者側が客観的な証拠を出さないとなかなか裁判で勝てない。ブログに画像が残っていた今回はある意味、恵まれていた」と話した。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(一條優太)