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 自民党総裁選の地方遊説が15日、始まった。安倍晋三首相と石破茂元幹事長がこの総裁選で初めて、市民や党員に向けて直接考えを語った。しかし、議論が歓迎されないような閉塞(へいそく)感や、世論との隔たりも指摘される。遊説先の人たちはどう聴いたか。

「オスプレイの話、全くでなかった」 佐賀

 15日夕、安倍、石破両氏は佐賀市中心部のJR佐賀駅前で演説会に臨んだ。安倍氏は「まっとうな経済を取り戻すことができた」と実績をアピール。石破氏は「もう一度地方に雇用と所得を取り戻す」と強調し、佐賀の観光産業の成功例などをたたえた。

 買い物帰りに足を止めた女性(60)は、安倍、石破両氏を見て「何の選挙だっけ?」。自民党の総裁選と知り最後まで聴かずに立ち去った。自民党国会議員の関係者は「盛り上がってはいないかな」と漏らす。

 「オスプレイの話が全く出なかった」。演説会を聞きに来た佐賀市議でノリ漁師の川崎直幸さん(68)は残念がった。県は今年8月、陸上自衛隊のオスプレイの佐賀空港への配備計画を容認。1998年の開港以来、経営が厳しい県営空港。100億円を国から受ける条件をのんだ形だったが、地元では賛否が渦巻く。川崎さんは市議会で自民党会派に所属していたが、会派内で配備計画を容認する決議に賛成するよう求められ、昨年12月に離脱した。「漁師には反対が多く、県民にも賛否がある。自分の意見を曲げ、反対の声を上げなかったら議員生命に関わる」と思った。

 賛否両論があるのに、自民の地方議員から異論が聞こえてこないのが不思議だ。「今の自民の議員は、なあなあに見える。来年の統一地方選など、次の選挙で党に支援してもらうことしか考えていない」。川崎さんにはそう映る。

 防災やにぎわいづくりなど佐賀市のまちづくりに取り組むNPO「地球市民の会」の事務局長の岩永清邦さん(35)は、安倍、石破両氏の演説に「貧困など地方の課題についてもっと議論を聞きたい。物足りなさがあった」と口にした。

 いま、活動の中で、子どもの貧…

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