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 福岡市出身の洋画家で詩人、青柳喜兵衛(1904~38)の多彩な作品の数々を集めた展覧会が、北九州市戸畑区の市立美術館本館で15日、始まった。大正末期から昭和初期にかけての油絵や挿絵、書籍の表紙、関連資料など約200点を展示し、短かった生涯に生み出された作品の全容に触れることができる。

 青柳は、現在の福岡市博多区の青果仲買問屋の跡取りとして生まれ、早稲田大学商科に進学。東京で絵画を学び、多くの公募展に出品して注目される。野菜や郷土玩具などの静物画を好み、画風は赤色の使い方に特徴があるという。だが、34歳の若さで亡くなった。

 夢野久作、火野葦平、劉寒吉ら九州の文士たちと深い交流があり、夢野の新聞小説の挿絵や火野の詩集「山上軍艦」の表紙を手がけている。

 晩年の代表作の油絵「天翔ける神々」や装丁、挿絵、版画のほか、影響を受けた画家たちの作品も展示され、青柳が生きた時代の芸術、文学の気風を感じることができる。開催は11月11日まで。(川端俊一)