多くの映画やテレビドラマで活躍した俳優の樹木希林(きききりん、本名・内田啓子)さんが15日、75歳で亡くなった。樹木さんと親交のあった戦没画学生慰霊美術館「無言館」(長野県上田市)館主の窪島誠一郎さん(76)は「同時代、同時代(の人間だ)と、かわいがっていただいた」と惜しんだ。

 館では毎年、若くして戦火の犠牲となった画学生の絵を前に新成人が決意を新たにする「成人式」を開催。窪島さんは以前から樹木さんに出席してほしいと望んでおり、2015年に樹木さんが撮影で館を訪れた際に頼むと、翌年の式にゲストとして出てくれた。

 式では25人の新成人一人ひとりに、自筆の手紙を渡した。「忙しいのに、1通ずつ真剣に書いてくれた。大変誠実な方でした」。食事に誘ってもらったこともたびたびあったという。

 「体に四つもがんがあるの」と話したという樹木さん。窪島さんは「がんと闘っているというより、戯れているようだった」。「同じ病気でつらい思いをしている方は励まされただろう」と話した。「亡くなる1カ月ほど前にテレビで元気な姿を見たのでメールしたが、返事がなかった。(心に)ぽっかり穴が開きました」と残念がった。(大野択生)