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 台風21号の影響で4日から不通だったJR西日本と南海電鉄の関西空港線が18日、14日ぶりに運転を再開した。1日6万7千人が乗り、関空の公共交通アクセスの8割を占める鉄道の回復に、利用者からは喜びの声が上がった。

 関西空港の第1ターミナルは閉鎖が続く北側が21日に再開予定で、旅客便のダイヤはほぼ通常に戻る見込み。18日は第2ターミナルと合わせ、国際線137、国内線113の旅客便が発着する予定で、通常の50%超の便数にあたる。

 ただタンカーが衝突して一部が損壊した連絡橋の道路については北側車線での対面通行が続き、マイカーやレンタカーは引き続き通行できない。石井啓一国土交通相は18日の会見で、全面復旧は来年5月のゴールデンウィークごろになる見通しを示した。新たな橋桁を作って架け替える必要があると判断したためという。

 南海空港線の始発電車は午前5時20分に泉佐野駅(大阪府泉佐野市)を出発。損壊した道路の橋桁は撤去されており、強風を防ぐ柵もなくなったため、徐行した。乗客らは窓から心配そうに見つめた。

 「ひどいことになっていますね」。夫と沖縄へ行く大阪府岸和田市の会社員女性(28)は他の乗客と会話を交わした。バスだと30分早く家を出る必要があったといい、「電車の方が楽なのでありがたい」。最初の特急ラピートが到着した時には関西空港駅で駅員が「ご利用ありがとうございます」と記した横断幕を掲げて出迎えた。東京へ出発する京都市の大学2年市原有紗さん(20)は「バスで行こうかと考えていたが、電車の再開が間に合ってすごく助かった」。

 JR西日本の電車からもスーツケースを引いた乗客が続々と降り立った。立野照司駅長(43)は「見慣れた光景のはずだが、今日は緊張とうれしい気持ちでお出迎えしました」と語った。

 帰路につく人たちも鉄道の運転再開を歓迎した。大阪府貝塚市の料理研究家木村明美さん(70)はウズベキスタンから18日朝の便で帰国。「荷物も多かったのでラッキーです。こんなに早く復旧するなんて」と話した。(坂東慎一郎、加戸靖史)