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 北海道で続いていた家庭や企業に対する節電要請が6日未明の地震からおよそ2週間で解除される見込みとなった。暮らしや観光、経済に明るさが戻ることへの期待が高まる。地震を機に、このまま節電を続けるという声も上がっている。

 「道内の大部分は観光客の受け入れに支障がないのに、厳しい状況にある。北海道は安全です」

 北海道の高橋はるみ知事は18日、被災者の生活再建支援が基本としつつ、地震と停電が引き起こした観光客急減に歯止めをかけ、早期回復を図りたいとメッセージを打ち出した。

 観光産業は農林水産業と並び、「北海道の基幹産業」(高橋知事)。秋の行楽シーズンを控えた業界の期待は高かったが、客足に急ブレーキがかかった。道内の宿泊キャンセルは94万2千人、交通費や飲食費などを含めた影響額は292億円に上る。

 北海道の昨年度の観光客数は約5600万人、うち約84%が道内客で、約11%が道外客、約5%が増加傾向にある外国人客だ。高橋知事はこの日、道内と、道外・国外宛てにそれぞれ、「北海道にお越し頂きたい」と呼びかけた。熊本地震や西日本豪雨で導入された、宿泊費を大幅に値引く「ふっこう割」も国に要望している。

 企業も震災前の態勢に向け、カジを切り始めた。

 函館の夜景が一望できる「函館山ロープウェイ」は地震の後、運行を通常より長い間隔で行ってきた。16日までの利用客は前年同期比で約3万2千人少ない約2万7千人。担当者は「節電要請の解除が客足の回復につながることを期待しています」と話した。

 道内7カ所の乳業工場が停電した明治は、各工場に発電機を設置。一部商品の生産を停止するなど、政府の節電要請に応えてきた。19日以降は発電機の使用をやめ、徐々に通常運転に戻す方針だ。

 一方、道内では18日現在も958人が避難するなど、多くの人が不自由な生活を強いられている。震度7を記録し、36人が亡くなった厚真町では今も50戸が停電したままだ。

 2008年にサミットが開かれた洞爺湖。湖畔にある洞爺観光ホテルは、夜間から早朝、調理室以外の冷房を止め、ロビーや売店の照明を外したり、間引いたりしてきた。支配人の浅川一己さん(59)は「苫東厚真(とまとうあつま)発電所が再開しても、いつ何が起きるか分からない。しばらくは節電努力を続けたい」と話す。

 オール電化のマンションで暮らす札幌市中央区の新田節子さん(80)は、「これから冷え込んでくるので、安心しますね」とほっとした様子。エレベーターは3日間止まり、体力の不安から9階の部屋から出ることもできなかった。

 節電要請をきっかけに、炊飯器や電子レンジなど、家電製品の電源プラグをコンセントからこまめに抜くようになった。「これからも、節電を心がけてやりくりできれば」と話した。