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 キリンビールが、自社や地域の中小メーカーがつくるクラフトビールの販売に力を注いでいる。発泡酒などを含むビール類全体の国内市場の縮小が続くなか、成長が見込める分野とみて、布施孝之社長は提供できる外食店を今後3年程度で全国2万店規模に増やす考えを示した。

 布施氏は朝日新聞の取材に「普段なかなかビールを飲んで頂けない若者らにも反応がよい。先頭をきってクラフトビールの市場を拡大したい」などと語った。

 同社は2014年から原料や製法にこだわってつくるクラフトビールの販売拡大に取り組み、東京・代官山や京都市など全国3カ所にクラフトビールの醸造所を持つ。ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)や二軒茶屋餅角屋本店(三重県伊勢市)の商品の販売を手がけるなど、地場のブルワリーとも提携を進めている。

 こうしたクラフトビールを1台で4種類提供できる専用サーバーを開発し、昨年から首都圏の飲食店に無料で機器を提供。今年3月から全国展開を始め、年内に6千店以上の設置を目指している。近畿など目標を既に上回る地区もあるが、成長を維持するためには「もっと規模の拡大が必要。3年程度で2万店規模に広げ、多くの人がクラフトビールに触れられるようにする」と意気込む。

 キリンは原料となるホップで、国内産の7割を購入している。昨年からこのうちの一部を外販することでも、地場のブルワリーを支援している。

 ビール類の市場全体に占めるクラフトビールのシェアは17年で0・7%程度とまだ小さいが、消費量は伸び続けている。ビール類の国内の総出荷量が13年連続で減っているのとは対照的に、キリンの試算では18年の出荷量は17・5%伸び、21年にはシェアは3%程度に拡大するとみている。(伊沢友之)