京都市最北端にある左京区久多(くた)。市内中心部から車で約1時間、山々に囲まれた小さな集落です。例年は涼しい山里も、この夏は30度を超える暑さが続きました。作業を休むと、庭や畑にはあっという間に草木が生い茂ります。厄介なのが、何にでも絡みつく「つる植物」。でも、山の人たちは、恵みとして活用するすべを知っています。一方、夏の終わりには、山の怖さを思い知る出来事もありました……台風です。

石垣にも草刈り機にも

 山里では「戸を開けたら、そこは自然」。夏の植物の勢いはすさまじく、特につる植物は、果樹の苗木に絡んで弱らせ、家の石垣を傷め、草刈り機に絡んで止めてしまいます。ヘクソカズラ、アケビ、ツタの仲間……、種類が分からないものも多いです。

 とはいえ、百貨店やクラフトショップをのぞくと、すてきなつる細工のかごが並んでいます。庭先のつるで簡単なかごが作れないかと、昨年秋、木に巻き付いているつるを切り取り、乾かしてみましたが、どうやってかごの形にするのか分かりません。8月下旬、久多から峠を一つ越えた花脊地区(左京区)で、つる細工のかご(つるかご)作りのワークショップがあると聞き、行ってみました。

集めたつるでかご作り

 「山村都市交流の森」で8月25日に行われた「花背ワンダーランド2018」というイベントです。この日は台風20号が来襲した翌々日。久多から花脊へ抜ける山中の道路は路肩が崩れるなど、とても荒れていました。

 「つるかご」作りを教えてくれたのは、近隣の花脊別所町(左京区)に住む藤井勝一(かついち)さん(75)。会場には、材料のつるがたくさん用意されていました。アケビ、オオツヅラフジ、ヤマブドウ、フジ……全部、藤井さんが集めたものだそうです。

 ワークショップには、男女約10人が参加。初心者対象とあって、かごの基本的な編み方を教わりました。まず、同じ太さ・長さのつるを6本選び、3本ずつ十字に重ねて、かごの縦芯(3本×4=12本)とします。さらに、半分の長さのつるを1本足して、縦芯を計13本(奇数)にします。細めのつるで十字を二重に巻いて固定、これがかごの底の部分に。続いて、その細めのつるを縦芯のつるに、上・下・上……と交互に通して編んでいきます。

 「編み始めが難しい」と藤井さん。私もつまずき、かごの底の部分は作ってもらいました。分からないなりに編んでいくと、リズムも出てきて、かなりの面白さに。ふと周りをみると、全員が下を向いて、黙々と作業に熱中していました。

 藤井さんがつるかご作りを始め…

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