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 重工大手IHIの愛知工場(愛知県知多市)が11月に閉鎖され、45年の歴史に幕を下ろす。国内屈指の造船拠点だったが、円高や中韓両国の追い上げもあって最終的には7年前に建造を休止。近年は海洋資源に関する設備を手がけたものの、採算が悪化していた。

 国内の大規模な「造船所」が閉鎖されるのは異例。最後の製造物となったのは、液化天然ガス(LNG)船用のアルミタンクで、総容量16・5万立方メートル。船に4基積まれ、15日にドックから出た。様子を見守った喜田章裕工場長は「時代にあわせていろいろな分野に挑戦し、世界初や世界最大の製品も送り出した。どれも心に残っている」。最盛期には協力会社も含めて2500人が働いたが、今月は500人余りだった。

 工場のできた1973年当時、日本の造船業は世界シェアの半分近くを誇っていた。73万平方メートルの敷地を有する愛知工場は全長810メートルの「100万トンドック」を備え、三菱重工業長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場(長崎市)などと「日本3大ドック」に数えられた。

 しかし、石油危機の余波や円高不況で船の建造を2度休止。2011年に造船をやめた。その一方で、溶接技術を生かしてトンネルの掘削機や橋を扱い、東京湾アクアライン(千葉県木更津市―川崎市)の工事に使われたトンネル掘削機もつくった。累計生産数は船が約50隻なのに対し、掘削機は1100台、橋は500本以上だ。

 近年は海洋資源開発用の設備に力を入れていた。ただ、不慣れな工事で工程が遅れ、採算ラインを割り込んでいた。原油価格の下落で油田やガス田開発の需要増も見込めず、昨年4月に生産終了を発表。従業員はIHIの航空宇宙事業などに配置転換され、跡地の利用は決まっていない。知多市の早川毅(たかし)環境経済部長は「市を代表する事業所で、操業に幕を下ろすのは残念。取引中止に伴う地域経済への影響は少なくない」と話す。

 この工場の歴史は、日本の造船…

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