針入りイチゴ、豪州で100件 販売停止のスーパーも

シドニー=小暮哲夫
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 オーストラリアで、スーパーのイチゴに針を混入する事件が全土で相次いでいる。最初のケースが12日に見つかって以降、当局に100件以上が報告された。イチゴの販売を停止する大手スーパーが出る一方、シドニーでは18日、リンゴやバナナでも類似のケースが見つかった。隣のニュージーランドでも22日、イチゴに針が混入される事件が発生するなど、波紋は広がっている。

 一連の騒動は、豪州最大のイチゴの産地である東部クイーンズランド州のスーパーで12日、イチゴに針が埋め込まれているのが見つかったのが発端。州政府が注意を呼びかけると、その後、パックに針を混入させる事例も含む、似たケースの報告が豪州全土で続いた。ダットン内相は19日、「多くがいたずらか模倣犯だ」と述べた。

 針が入ったイチゴを食べたり、かんだりして治療を受けたケースも出ている。地元メディアは、スーパーでのイチゴ販売の停止で、収穫直後のイチゴを廃棄せざるを得なくなった農家の状況も報じている。

 豪クイーンズランド州警察などは、10万豪ドル(約800万円)の報賞金を出すとして、犯人につながる情報を募っている。モリソン首相は19日、この種の犯罪の刑罰規定を、現行の最高懲役10年から懲役15年にする方針を発表した。

 豪州では、全土で年間およそ8万トンのイチゴを生産しており、1人あたりの年間消費量は2・6キロ。ニュージーランドや東南アジアなどにも輸出されている。(シドニー=小暮哲夫

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