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 仮想通貨業界で再び多額の不正流出が発生した。年初の巨額流出問題を受け金融庁が監督を強化したが、安全対策の不備が露呈した。不正の手口は巧妙化し、流出した通貨を取り戻すのは困難だ。将来の決済手段として注目されたが安全性は疑わしくなり、今後の成長も見通しにくくなっている。

 不正流出が起きたのは、仮想通貨業界大手テックビューロ(大阪市)が運営する交換サイト「Zaif(ザイフ)」。同社は不正の詳細は明かしていないが、朝日新聞がネットの取引履歴を分析したところ、巧妙な手口が見えてきた。

 取引履歴によると、14日午後5時33分、テックビューロが管理するザイフの計131口座から計5千ビットコインが一つの口座に送金された。その後も送金は続き、計16回、計1726口座から5966コインが流出した。同社発表の被害額と一致する。

 コインはその後、短時間で数千の口座に分散された。情報セキュリティー会社の専門家は「取引履歴を追えなくするミキシングサービスを悪用したのでは」とみる。このサービスはネット上の不特定多数の取引を組み合わせて履歴を複雑にし、追跡を困難にする。この専門家は「匿名を望む人向けのサービスが、犯罪に悪用された」とみる。

 仮想通貨交換業者の多額の不正流出は、1月にコインチェック(東京)で起きた約580億円分以来だ。ただコインチェックは金融庁に登録申請中の「みなし業者」で、テックビューロは登録済みの「登録業者」だ。同社CEO(最高経営責任者)の朝山貴生氏は仮想通貨普及でも知られる存在だ。仮想通貨技術に詳しい専門家の楠正憲氏は「登録制度の信頼を揺らがせる事態だ。これまで未登録事業者を使わないよう呼びかけてきたが、利用者が自己責任で仮想通貨を守るしかないとしか言えなくなった」と話す。コインチェック問題以降、低調な仮想通貨相場にも影響しかねない。

 仮想通貨の不正アクセス事件が最近相次いでいる。警察庁の20日の発表によると、今年上半期(1~6月)の事件件数は前年同期の約3倍の158件、被害総額は約605億300万円相当にのぼる。コインチェックでの流出が多くを占めたが、件数ではネット利用者の個人口座が狙われたケースが大半を占める。(小林太一、国吉美香、編集委員・須藤龍也)

 テックビューロは今回、不正流…

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