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 世界ボクシング機構(WBO)フライ級王者の木村翔(29)=青木=が24日、武田テバオーシャンアリーナ(名古屋市)で同級1位の田中恒成(23)=畑中=と3度目の防衛戦を戦う。昨夏、中国で王座を獲得したことで現地で人気に。この試合では二つの中国企業がスポンサーとして後押しすることになった。

 酒造メーカーの「貴州茅台酒」と、日本にも支店を持つ大手北京ダック専門店「全聚徳」。当日のトランクスとガウンに企業名がつく予定だ。敵地での劇的勝利から中国人のジム生が急増。現在は約20人が通っている。そのうちの1人からの紹介だという。有吉将之会長(44)は「ありがたいことです」と語る。

 自らの拳でスポンサーを勝ち取った。昨年7月、五輪2連覇を果たした「中国の英雄」鄒市明に挑戦し、チャンピオンになったことから縁が生まれた。通常、海外での世界戦は判定で地元選手有利になるため、避けたい。しかし「うちのような小さなジムで、世界戦の誘いがあるだけでもありがたいこと」と有吉会長。強気のボクシングでのし上がった木村も「こんなチャンス、逃してはいけない」と二つ返事でOKし、実現した。

 当日は技巧派の相手に対し、持ち前の強打を貫いて11回TKO勝ち。試合直後、有吉会長は「反日感情に火を付けるのでは」と心配したが、意外にも想像していた反応はなかった。翌日からは現地メディアの取材攻勢にあった。

 今年1月に中国・深圳での試合にゲストとして呼ばれた際には写真や握手を求める現地ファンに取り囲まれ、パニックになった。現在も木村を一目見ようとジムを直接訪れる中国人ファンが途切れないという。

 24日の相手、田中は世界最速に並ぶ12戦目での世界3階級制覇を狙う「エリート」。それでも木村は「王者は僕」とプライドをのぞかせる。相手の地元・名古屋での対戦。しかし「日本は僕にとってもホーム」と動じない。今年7月には中国・青島で防衛し、2度も海外での世界戦を経験しているだけに怖いものはない。自分の力を出し切ることに集中する。(有田憲一)