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 明治初期の西南戦争から太平洋戦争までの戦死者が眠り、全国最大規模とされる「真田山陸軍墓地」(大阪市)の墓碑が、9月初めに直撃した台風21号の強風で倒れたまま放置されている。背景には、土地を所有する国と管理する市の役割分担のあいまいさがある。

 天王寺区の住宅地の一角にある真田山陸軍墓地。今月4日の台風21号の通過で墓碑がなぎ倒されて散乱したり、折れた木の枝が墓碑に覆いかぶさったりした。3週間近く過ぎても補修されないままだ。戦死した親族が眠るという大阪市内の女性(70)は「お墓らしい姿を取り戻すため、行政に助けてほしい」と話す。

 墓地の清掃などに協力している「真田山陸軍墓地維持会」(吉川秀隆理事長)や大阪市などによると、墓地は1871年、国内初の陸軍の埋葬地として設置。墓碑数は約5100で、現存する陸軍墓地では全国最大規模とみられる。約8200の遺骨が眠る納骨堂もある。

 維持会によると、国が所有する墓碑の多くは砂岩製で耐久性が低い。墓地内の碑の約7割にヒビなどがあり、補修が必要だという。寄付金を使って年50基ほど改修しているが、風化のスピードに追いついていないのが実情だ。

 そこに、台風被害が追い打ちをかけた。

 大阪市によると、そもそも墓地の所有自体も国で、1946年に市と無償貸し付け契約を結んだ。契約書には「(市は)善良な管理者としての注意をもって維持保全に努めなければならない」と書かれているが、国と市の役割分担については細かな記載がない。市は年2、3回の除草や年十数回の清掃以外の管理を維持会に任せる形にしている。

 市は「風化対策や大規模改修は所有者の国がやるべきだ」(建設局管財課)との立場。吉村洋文市長は朝日新聞の取材に「国と市が責任を押しつけ合っている。役割分担を明確にするべきだ」と述べ、10月中をめどに国への要望書を作り、提出する方針だ。

 対する国は2014年2月の衆院予算委員会で「まずは管理を行っている地方自治体が適切な管理をできるよう促していきたい」(厚生労働省大臣官房審議官)と答弁している。

 そんな中、墓地の歴史研究をし…

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