市場の内外つないだ文庫 学び

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編集委員・長沢美津子
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魚河岸ものがたり:30

 観光客でにぎやかな場内の飲食街の2階に「銀鱗(ぎんりん)文庫」の部屋はある。日本橋から続く魚河岸の資料を保存する図書館。市場移転で閉館中だが、豊洲でも飲食店の集まるフロアに看板を下げる。

 小さな文庫は、市場の内と外をつないできた。卒論の学生や歴史好きが調べものにやって来る。産地の人が魚のパンフレットを置いていく。それだけではない。市場のOG・OBが元気な顔を見せる。河岸引けの昼下がりには、風流に句会が開かれた。運営するNPO築地魚市場銀鱗会の事務所も兼ねているからだ。

 銀鱗会の創立は1951年。事務局長の福地享子さんが「始まりは河岸の人たちの熱い思いでした」と、発足を伝える業界紙を見せてくれた。記事では「市場運営と取引の明朗化」「相互の親睦」「市場文化の向上」と、内側からの市場の近代化を掲げている。

 福地さんは「世間が寝ている…

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