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 香港と中国本土を結ぶ初の高速鉄道が23日、全線開通する。中国政府は、政治や経済の体制が異なる香港との結びつきを強め、融合を進める思惑だ。だが、香港側の駅構内などで中国の法律が適用されるため、香港の民主派は「一国二制度」の下での「高度な自治」が侵される、と反発している。

 香港側の起点となる西九竜駅で22日にあった開通式で、香港政府トップの林鄭月娥・行政長官は「香港が高速鉄道新時代に足を踏み入れた」と宣言した。

 23日に全線開通するのは、西九竜駅から広東省の広州南駅までを結ぶ「広深港高速鉄道」(約140キロ)。このうち中国側の区間は2015年までに開通していたが、香港側の26キロが未開通だった。香港―広州の所要時間は最短47分と、在来線の半分以下になる。中国の高速鉄道網と直結し、北京や上海など中国各地の44駅に乗り入れる。列車は「動感号」(躍動感の意味)と名付けられた。

 中国政府は、この高速鉄道を習近平(シーチンピン)国家主席肝いりの地域発展計画「広東・香港・マカオ大湾区構想」の中核プロジェクトと位置づける。香港では14年の民主化デモ「雨傘運動」の後、若者を中心に中国への不満が広がっていることもあり、香港に経済的な恩恵を与えて中国への融合を進める狙いもある。

 しかし、この日の開通式は民主派の立法会(議会)議員が出席を拒否したほか、一部の活動家は西九竜駅の内外で抗議活動をし、物々しい雰囲気となった。

 民主派が問題視するのは、西九竜駅に香港と中国の出入境審査が集約され、中国の法律が香港内でも適用される点だ。車両内や西九竜駅構内の一部など、中国の法律が適用される区域では中国の警察官が取り締まりにあたるほか、中国の税関職員が業務を行う。

 香港政府は、在来線のように香港と中国でそれぞれ出入境審査をしなくても済み、利便性が高まると主張してきた。だが、原則として香港には中国の法律を適用しないという「法執行の分離」は、1997年の返還後の香港の「憲法」に当たる香港基本法の根幹。民主派は今回の措置に猛反発し、政治問題に発展していた。

■中国の統治強化に…

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