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医の手帳・フレイル(3)

 フレイルの危険因子には加齢、運動不足などの生活習慣や栄養不足・食事の偏り、薬剤、心理的因子、各種疾患が挙げられます。

 例えば、座っている時間の長い高齢者ではフレイルに至る率が高く、特にテレビを見てじっとしている時間が長いほどフレイルに至る方が多いといわれています。体を動かさないことや栄養不足は筋肉量減少や筋力が低下したサルコペニアになり、ひいてはフレイルに至る大変危険なことといえます。体を動かしていますか? 十分な栄養をとっていますか? 生活をぜひ見直してみてください。

 薬剤は病気の治療に有用です。高齢者では多病で多くの障害、疾病を併せ持っておりますので多数の薬剤を服用している方も多くみられます。多数の薬剤では、薬剤の副作用の発生が多くなるともいわれています。

 また一部の薬剤では、副作用として体の動きが制限されることもあり、食欲低下、抑うつを伴うことや、フレイルやサルコペニアの原因になることもあります。高齢者では薬剤が思わぬ作用をきたすこともありますので主治医の先生とよく相談をされ、場合によっては薬剤の内容や数を見直すことが必要かもしれません。

 心理的因子として抑うつがあります。おっくうで何もする気になれない、外出することもなく、家に閉じこもり、また1人だけでの食事が続くことで気持ちが沈み込みます。社会とのつながりが減ることは身体的ならびに精神・心理的フレイルにつながります。

 フレイルは様々な病気と関連します。糖尿病はフレイルを悪化させ、要介護や死亡リスクを高めます。逆にフレイルは糖尿病の発症リスクを高めます。まさにフレイルと糖尿病は相互に関連し悪循環へと進みます。また慢性腎臓病はフレイルと関係し、腎臓の病期が進むにつれてフレイルの頻度が増します。心血管疾患もフレイルと関連すると報告されています。

<アピタル:医の手帳>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/

(新潟大学大学院医歯学総合研究科 遠藤直人教授(整形外科学))