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 キリスト教ローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)と中国政府は22日、長年対立していた司教の任命を巡る協議が、暫定的な合意に達したと発表した。バチカンによると、中国が独自に任命したもののローマ法王が破門した司教7人について、司教として認める内容が盛り込まれた。バチカンと中国は1951年に国交を断絶したが、双方を隔ててきた最大の争点で歩み寄ったことで、今後、国交正常化の動きが加速する可能性がある。

 これまで中国は、ローマ法王が全世界の教区ごとに司教を任命する制度を認めず、政府公認の「中国天主教愛国会」が独自に司教を選んできた。

 一方で、バチカンは欧州で唯一、台湾と外交関係がある国だ。中国は「一つの中国」の原則を掲げ、世界各国に台湾との断交を迫っている。バチカンが中国との国交正常化に傾けば、台湾が受ける政治的ダメージは大きい。

 暫定合意について、バチカンのバーク報道官は「目的は政治的なものではなく、中国当局の認めた司教も信者とともにあることを許すものだ」とコメント。台湾外交部も「バチカンから合意は政治・外交に関するものではないと聞いている」との声明を出した。だが、中国外交筋は「当然、バチカンとの国交は念頭にある。今回は大きな進展だ」とする。(ローマ=河原田慎一、北京=冨名腰隆)