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 繊維メーカーの帝人が、住宅建材事業に参入した。航空機の機体などに使われる炭素繊維を木材の内部に組み込んで、強度を増した新たな建材を開発。住宅メーカーに売り込む。

 炭素繊維は、強度は鉄の10倍ありながら、重さは4分の1と軽い。この繊維を木材内部にたくさん通すと、強度が鉄骨並みに上がった。建物の支柱を減らすことができるようになり、設計やデザインの幅が広がるという。

 国土交通省から建物に建材を使うことが認可されており、帝人は前田建設工業と共同で、東京都日野市にある研究所内にモデルハウスを建てる。2020年にも建材の販売を始め、数年後に約50億円の売り上げをめざす。

 少子高齢化で住宅建設が伸び悩むなか、鉄骨より安い木造住宅への期待は大きい。高価格の鉄骨住宅しか扱ってこなかったパナソニックホームズやトヨタホームも相次いで木造の建築事業に参入しており、帝人は建材の商機も広がるとみた。

 今回の建材を使えば将来は、鉄骨を使わない「木造ビル」も可能になるという。

 6月に創業100年を迎えた帝人は、海外企業の買収や事業の多角化を積極的に進めてきた。主力の衣類用の合成繊維は1990年代以降、安価な海外製にシェアを奪われたが、医薬品事業などを成長させた。今回の住宅事業も多角化の一環だ。(神山純一)