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 関東を中心に風疹の患者が急増している。今年に入ってからの累計患者数は642人で、昨年1年間の約7倍に上る。患者の7割近くが30~50代の男性だ。感染を職場ぐるみで防ごうと、ワクチンの集団接種に取り組む企業もある。

 病理診断の機器や試薬を製造販売する東京都中央区の「サクラファインテックジャパン」は2013年から、会社で風疹ワクチンの集団接種を始めた。費用は全額会社が負担。その結果、16年に社員の接種率が8割に達した。

 広報担当の山本晃さん(45)は「業務上、医療機関に出入りするので、社員が感染源にならないよう心がけている。仕事の合間に受けられることで接種率が上がった」と話す。

 1万4千人超の患者が出た13年の大流行では、20~60代の患者のうち、男性は7割弱、女性は4割弱が職場での感染だった。風疹は発熱などの症状を和らげる対症療法以外に治療法はなく、ワクチンで感染を防ぐほかない。妊娠初期の女性がかかると、赤ちゃんに難聴や心疾患などの障害が出るおそれがある。

 定期接種は1977年から95年までは中学生の女子のみが対象だった。このため、風疹ウイルスの抗体保有率は、女性が約94%に対し、男性は約88%。特に男性の40代は約80%、50代前半は約77%と低い。

 東京都港区の「新橋日比谷通りクリニック」の吉原秀樹院長(56)は「夏ぐらいから『結婚を控えている』『妻が妊娠した』など、女性に背中を押されて予防接種を受けに来る男性が増えている」と話す。

 国立感染症研究所は26日、直近1週間(10~16日)の風疹の患者数を発表。前週に続き100人超で127人だった。最も多かったのは東京で39人。次いで、千葉38人、神奈川14人、茨城、愛知がそれぞれ8人、埼玉7人と続いた。また、新たに滋賀、愛媛でも患者が発生。今年に入って感染報告があったのは36都道府県に上った。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(水戸部六美)