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 安倍晋三首相と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は25日午前(日本時間26日未明)、ニューヨークで会談した。文氏は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が今月の南北首脳会談で、日朝関係改善の用意があるとする首相宛ての伝言を託していたと述べた。ただ、北朝鮮は公式メディアで日本を非難し続けており、両国の距離は縮まっていない。

 「北朝鮮との相互不信の殻を破り、金正恩氏と直接向き合う用意がある」

 首相は25日の文氏との会談で、日朝首脳会談への意欲を改めて示した。

 韓国大統領府によれば、文氏は、南北首脳会談で正恩氏が語った伝言の内容を首相に語った。それは、「適切な時期に日本と対話をし、関係改善を模索する用意がある」だった。

 日朝首脳会談に向けた正恩氏の意欲の表明といえ、停滞する日朝関係からみれば、一歩前進したようにみえる。ただ、その歩幅はといえば、とても小さい。

 正恩氏は文氏に、日朝首脳会談の具体的な時期を示さなかった。2回目の米朝首脳会談が11月の米中間選挙前にも開かれる見通しが強まるなか、日本人拉致問題の解決を迫り続ける日本をじらすことで、自らに有利な状況で対話に持ち込む狙いがあるようだ。

 正恩氏は今月5日に訪朝した韓国特使団にも、「今は日朝首脳会談をする時期ではない」と答えている。北朝鮮の公式メディアは最近、日本批判を続けているが、朝鮮中央通信は24日にも、「日本の軍国主義の野望は地域と世界の安保バランスを破壊している」と非難。日本に対する圧力では一貫している。

 文氏が首相に紹介した「適切な時期に日本と対話」という正恩氏の言葉の「適切」の意味について、日朝関係筋はこう解説する。「北朝鮮が最も重視する過去の清算に全く触れようとしない日本へ、姿勢を改めろというメッセージだ。指導部は、このままでは対等な対話ができないと判断しているのだろう」

 日本政府が、日朝関係の改善が北朝鮮の経済発展につながると主張していることも、指導部の態度を硬化させる要因だと、この日朝関係筋はみる。「日本の支援に飛びつく北朝鮮という構図が北朝鮮国内で広まると、体制の威信に傷がつくからだ」

 南北首脳会談と前後して米朝交渉は再び加速しており、北朝鮮が米朝首脳会談の実現に全力を挙げていることも、日朝関係に響いているとの見方もある。対日関係にまで関心が回らない状況のようだ。(ニューヨーク=牧野愛博)

■米国の動向に頼…

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