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 アニメやゲームなどのサブカルチャーを観光資源に生かし、地域おこしにつなげる動きが、群馬県内でも盛り上がりを見せている。ただ、一過性にならないか危ぶむ声も。サブカルで地域のブランド力を上げて人を呼び込み続けるには、長期的な視点が必要だと先達は言う。(丹野宗丈)

 普段は人影もまばらな前橋駅前や市中心部の商店街が、大勢の人であふれた。美少女たちが登場するスマートフォンの人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」の記念イベントが9月8、9日の2日間、ヤマダグリーンドーム前橋で開かれたためだ。

 山本龍市長はイベントの前後に、ツイッターで歓迎ムードを後押しするつぶやきを投稿。市もイベント期間中に特設ホームページを開設し、飲食店などを紹介した約2万枚の特製マップを配った。インターネット上は「前橋市が熱烈歓迎」「山本市長の神対応」などと沸いた。

 イベント翌日の記者会見で山本市長は「2日間で1万8千人の若者が集まり、前橋が(良い意味で)カオス(混沌(こんとん))になった」と喜んだ。市の担当者は「2日間のイベントで多くの人がとどまり、いろんな場所を訪れてくれた。影響力の大きさを感じた」と驚く。

 サブカルをきっかけに、多くの観光客が押し寄せる現象は各地で起きている。とくに有名なのが「聖地巡礼」。アニメや漫画などの舞台となった土地をファンが訪れることを指す。2000年代から盛んになってきたとされる。

 近年、制作コストの圧縮などのため、現実の場所をほぼそのままモデルにすることが多い。ファンは舞台となった場所を訪れ、その感想や写真をSNSなどに投稿。それを見た別のファンが新たな観光客となる。サブカルの世界とリアルを重ね、“発見”を楽しむ観光の仕方が広がりつつある。

 茨城県大洗町や埼玉県鷲宮町(現・久喜市)は、こうした観光需要を掘り起こした例と言われる。

 大洗町を舞台とした人気アニメ「ガールズ&パンツァー」は12~13年にかけて放送された。商店街が自発的にファンをもてなすようになり、今でもイベントなどに訪れるファンは多い。野村総合研究所の調べでは、13年度の経済効果は約7億2千万円。鷲宮町は「らき☆すた」(07年放送)の舞台となり、鷲宮神社への初詣参拝者は07年から5年間で約5倍の47万人まで増加した。

渋川・伊香保温泉街 アプリで聖地巡礼

 そんな聖地が、群馬にもある。渋川市の伊香保温泉街やその周辺の山道は、車好きの若者を描いた人気漫画「頭文字(イニシャル)D」で、主人公の地元のモデル。温泉街はイケメン高校生が怪人たちから地球を守る学園アニメ「美男高校地球防衛部」シリーズの舞台でもある。

 ただ、その伊香保温泉の宿泊客…

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