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 トヨタ自動車が、国内に5千ほどある全販売店で、すべての車種を売る検討を進めていることが27日分かった。クラウンやヴィッツなど、4系列ある販売店ごとの「専売車」をなくし、系列を事実上一本化する。販売店を拠点にし、1台の車を共同利用するカーシェアリングサービスも始め、少子高齢化で大きな伸びが見込めない国内市場での勝ち残りをめざす。

 「移動サービスを担う会社」への転換を進める一環といい、全店で全車種を販売するのは2025年ごろになる見通しだ。

 トヨタは高度成長期の市場の伸びや、購買層の多様なニーズに応える狙いで、高級車クラウンを扱う「トヨタ店」、大衆車カローラを売る「カローラ店」など複数の系列店を地域の独立資本と組んで全国に展開。いまも「トヨペット店」「ネッツ店」を含む四つの系列を抱え、系列店を絞り込んだ日産自動車やホンダとは一線を画してきた。

 ただ、売れ筋車を系列ごとに開発するのはコストがかさむ。直近の国内市場は500万台前後で推移し、バブル時のピークの3分の2ほどにとどまる。トヨタは150万台前後でシェア首位を占めるものの、複数車種を並行して開発する負担は増していた。

 最近は、人気車種のプリウスやアクアのように複数系列で売る車種が増え、系列の違いは薄れる方向にあった。今回の見直しでは、系列そのものは維持する方向だが、顧客は欲しい車をどの店でも買えるようになるため、系列ごとの垣根はさらに低くなる。

 全車種の販売とあわせ、トヨタは販売と保守整備が中心だった販売店のビジネスモデル転換を促す取り組みも加速する。「保有から共同利用」の流れを受け、販売店を拠点にして、車を貸し出すシェアサービスも東京都内を皮切りに着手。全国展開をめざす。

 高級車レクサスを扱う「レクサス店」はそのまま残す方向だ。(山本知弘)