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 金塊を密輸入して消費税を免れたとして、千葉県警は27日、30~40代の男3人を関税法違反(無許可輸入)と消費税法違反の疑いで逮捕し、発表した。捜査関係者によると、3人は「運び屋」を雇って繰り返し金塊を密輸していたといい、県警は少なくとも2千万円近く脱税したとみて調べている。

 逮捕されたのは、埼玉県三郷市戸ケ崎、アルバイト初田宏平(45)▽東京都杉並区永福4丁目、会社役員伊藤幹雄(48)▽千葉市中央区松波2丁目、アルバイト勝地聡(36)の3容疑者。発表によると、3人は2015年6月29日~7月9日、他の者と共謀し、成田空港と羽田空港に金塊計22キロ(1億187万円相当)を衣服に隠して不正に持ち込み、納付すべき消費税815万円を免れた疑いがある。

 捜査関係者によると、3人は金塊を買う「バイヤー」と体に巻いて運ぶ「運び屋」を計約20人雇い、消費税がかからない香港で金塊を購入。マレーシアやシンガポールを経由して密輸し、東京の貴金属店で換金していたという。

 成田空港で税関職員が金塊を隠し持った運び屋を摘発して犯行グループの存在が発覚し、県警が調べていた。県警は複数人の運び屋についても、共犯として千葉地検に書類送検する方針だ。

消費税8%分が利益に

 金塊の密輸入が急増している。香港など消費税がかからない国や地域で買って日本で売れば、消費税分の利ざやを得られるためとみられる。財務省によると、全国の税関が昨年押収した金は6236キロ(280億円相当)で前年の2・2倍。4年連続で過去最多を更新した。摘発件数は前年比1・7倍の1347件だった。

 捜査関係者によると、香港では金塊の購入時に消費税の支払いが不要だ。密輸すれば、輸入時に税関への納付が義務づけられている消費税8%の支払いを免れることができる。さらに、日本で売却する際は消費税分を上乗せした金額で買い取られるため、8%分が利益になるという。

 税関による金塊の押収量は、消費税率が8%に引き上げられた2014年以降に急増し、右肩上がりを続けてきた。税関や警察は個人旅行者や貴金属業者による密輸に加え、組織的な密輸グループが横行しているとみて摘発を進めている。

 財務省の担当者は「消費税が10%に上がれば、さらに密輸を企てる者が増える可能性がある。関係機関とも連携し取り締まりを徹底していく」と話す。(寺沢知海)