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 東京電力福島第一原発3号機の使用済み燃料プールからの核燃料の取り出しについて、東電と経済産業省は27日、今年11月に予定していた作業開始を来年2月以降に延期する、と発表した。クレーンなどの装置にトラブルが相次いでいるためで、実際の作業開始は来春以降にずれ込む見通し。40年間を見込む廃炉の工程全体にも影響が出る可能性がある。

 東電や経産省によると、今年8月、プール内の燃料を取り出す装置で警報が鳴った。調べたところ、ケーブルの保護部品が仕様通りに取り付けられておらず、ケーブルが雨水で腐食していた。抜本的な部品の取りかえが必要で、復旧には少なくとも来年1月までかかる見込み。その後に原子力規制庁の検査を受ける必要があり、さらに数カ月はかかる見通しという。

 3号機では今年3月、燃料を動かすクレーンが起動直後に故障。5月には制御盤が焦げるなど電気系統にも損傷が見つかった。製造元の米メーカーが出荷時に設定した電圧と、原子炉建屋内の電圧が異なっていたことが原因だった。

 燃料取り出しの延期は今回で4度目。当初の計画では2014年末にも搬出を予定していたが、現場の放射線量が想定より高く、水素爆発した建屋のがれき撤去なども難航していた。

 経産省の担当者は「万が一、燃料取り出しの最中にトラブルが起きないよう、安全第一で進める」としている。

 3号機の建屋最上階にある使用済み燃料プールでは、566体の核燃料を冷却しながら保管している。新たな地震や津波に見舞われると冷却できなくなる恐れもあり、建屋近くの別の保管施設への搬出を急いでいる。(川原千夏子)