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 兵庫県中央部の神河(かみかわ)町で、飛鳥時代後半(7世紀後半)に創建されたとみられる寺院跡がみつかった。町教育委員会が27日発表した。鎌倉時代に成立した仏教史書「元亨釈書(げんこうしゃくしょ)」などには、飛鳥時代に地元の豪族が、命を救ってくれた愛犬を弔った「播磨(はりま)犬寺」を建てたとする伝承があり、町教委はこの犬寺と関わる可能性が高いとみている。

 町教委と京都府立大学が今月15日から発掘調査を実施。基壇の一部と柱の穴(直径約80センチ)が約2メートル間隔で五つ並んでいるのがみつかった。町教委は一緒に出土した瓦や土器から7世紀後半の寺院の基壇とみて、遺跡名を地名から「堂屋敷廃寺」と名づけた。

 播磨犬寺の伝承は、飛鳥時代中ごろ、2匹の犬を可愛がっていた枚夫長者(まいぶちょうじゃ)という豪族が都での戦(いくさ)に従軍。その留守中、妻と家来がひそかに通じて長者を殺そうと謀った。だが、愛犬が家来に飛びかかり、長者の命を救ったことから長者が愛犬の死後、私財を投じて寺を建立したとする内容だ。

 菱田哲郎・京都府立大教授(考古学)は「伝説の舞台が遺跡でみつかった貴重なケースでは」と話す。

 現地説明会は29日午前10時半から。現場はJR播但線寺前駅からタクシーで約10分。小雨決行。問い合わせは町教委(0790・34・0212)へ。(森直由)