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 あと数カ月で自分が死ぬと知ったら、何がしたいですか――。末期患者の希望を実現させる団体がオランダにある。その名は「願いをかなえる救急車財団」。海に行きたい。孫の笑顔が見たい。家に帰りたい。思いを形にした人は1万人を超えた。

 「死ぬ前に息子とこの博物館に来たかった。とても満足です」

 6月下旬、余命数カ月と宣告されたエミールさん(70)は長男のマイクさん(35)、義弟のロブさん(58)とオランダ・ロッテルダムの「ミニワールド」を訪れた。ロッテルダムの町並みを模型で再現した博物館で、子どもの頃から鉄道模型が好きだったエミールさんお気に入りの場所。いつかマイクさんと一緒に、との思いを後押ししたのは3カ月前の出来事だ。

 突然、背中に激しい痛みを感じ、駆け込んだ病院で医師に末期の肺がんと伝えられた。入院して寝たきりの日々を送っていたが6月上旬、体調が良くなり退院を認められた。妻が救急車財団に連絡をとった。

 この日、財団のボランティアとして付き添ったのは運転手役の警察官エドさん(61)と看護師のサネさんだ。医療設備を備えたワゴン車で、アムステルダム郊外のエミールさん宅から1時間かけて博物館まで。途中、サネさんはエミールさんに薬を飲ませ、体調を確認した。

 一人で歩けないエミールさんは移動式ベッドに乗り、2時間かけて館内を回り、マイクさんと時折笑顔で話した。マイクさんによると、エミールさんは自信をつけ、以前より元気にみえるという。

きっかけは元航海士の願い

 この活動を始めたのはロッテルダムで救急車の運転手を20年務めたケース・フェルドブールさん(58)。2006年秋、ある末期がんの男性との出会いがきっかけになった。

 入院中の男性を治療のため別の…

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