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食のプロと一杯@和牛専門店 闘牛門(東京都町田市)

 東京都町田市で8月、地域活性化を掲げたプロレス団体が発足した。その名も「町田プロレス」。町田の食の名物や名所に関係するマスクマンがリングで躍動するのが特徴だ。エースレスラーは町田特産「シルクメロン」にちなんだシルクメロン侍さん(年齢非公表)。シルクメロン侍さんに行きつけのパワーの源の店を紹介してもらった。

 シルクメロン侍さんに案内を頼んだのには理由がある。若い頃はプロレス道場でちゃんこ番を任され、料理が得意。プロレス界に入る前の米国留学時には、現地レストランでコック経験もある。体が資本の格闘家だけに、食にはうるさい。

 JRと小田急の町田駅から徒歩約5分のところに町田プロレスの事務所がある。その近くにある「和牛専門店 闘牛門」が今回の目当ての焼き肉店だ。

 経営者の飯間圭吾さん(34)が何品か厳選してくれた。最初にテーブルに持って来てくれたのは、黒毛和牛の最上級A5ランクの肩ロースあぶり握りだ。

 どんな味? 飯間さんに尋ねると「まずは食べてみて」。

 では。肉の裏側を軽くあぶった握りを一口で食べてみた。口の中で肉がとろけるような食感だ。ほどよい脂が舌にしみる。「カレーは飲み物」と表現したタレントがかつていたが、シルクメロン侍さんはポツリと漏らした。「お肉は飲み物」

 次は肉の盛り合わせ。肩の部分のザブトン、ヒレに近いカイノミなどが並んだ。やはり、口の中で溶けていく感覚だった。

 テーブルの脇に15種類の食塩が入った箱が置いてあった。イカスミが入った黒い塩、シベリア岩塩、ウユニ塩湖の塩。「毎日のように来てもらいたい。飽きないように塩を用意しています」とサービスにもこだわる。

 開店8年目。最大のこだわりは、やはり肉だ。「リーズナブルにおいしい肉を食べてもらいたい」。そのため産地ではなく、格付けを見て各地から肉を仕入れている。産地で選ぶと、生育などの状況で値段が高くなる場合があるからだという。

 「パワーの源」。町田プロレスのレスラーはみな焼き肉が大好物。大勢で行くと、肉が盛られた皿から全部すくい、一挙に網にのせるという。「焼けないうちにほぼ生肉の状態で取り合いになる」とシルクメロン侍さんは笑う。一方で「作るほうも好きなんです」。

 米国でコックをしていた時は、鶏ガラスープからオリジナルのテリヤキソースを作り評判だった。ちゃんこ番の時も調味料を工夫し、おいしい鍋の完成を目指した。そうした経験から今も自分で試行錯誤して料理を作る。「格闘家は量を食べなくてはいけないが、おいしくないと食べられないですからね」。巡業で各地の名物を食べるが「『ダシは何か、隠し味に何を使っているか』といつも考え、自宅に戻って挑戦している」。

 「闘牛門も塩や安くうまい肉にこだわっているから好き」。マスクマンが笑いをとりながらも、リング上では本格的なファイトで魅了――。こだわる町田プロレスと店を重ね合わせる。

 旗揚げ戦は8月26日、町田駅近くの広場で催された。いまの時代はプロレスのテレビ中継は少なく、プロレスを新鮮に感じる子どもたち。一方で、昔を思い出す親や祖父母の世代。団体代表の杉浦隆さん(54)は、ご当地マスクマンを眺める親子の会話が聞こえた。「町田って、いろいろあるんだね」。決意を新たにした。「町田に住んでいるプライドを持ってくれたらうれしい。一発の打ち上げ花火ではなく、継続しなくちゃ」(木村浩之)

町田プロレスの誕生は…

 マスクには様々な種類がある。往年の人気マスクマン・マスカラスの口元は唇の大きさしか開いていない。メッシュで口元が覆われたマスクもある。一方で、シルクメロン侍さんの口元は大きく開いている。

 なぜ? たくさんの食を味わい、町田をアピールする狙いからだ。

 町田プロレスの誕生は、同団体の代表で、町田市内で建材会社「愛知金物建材」を営む杉浦さんとシルクメロン侍さんとの出会いがきっかけだった。マスクマンを活用し「街の再発見を」という訴えに杉浦さんが共感。昨年秋から動き始めた。

 「相棒が杉浦さんだから、うまくいっている」とシルクメロン侍さんは話す。29歳の頃から青年会議所や商工会議所などで一会員として街づくりに関わった杉浦さん。そろそろ自分主導で何かやりたいと思っていた。

 昨年末。「掘り出し物を見つけ、つい買ってしまった」と仲間に言った。何を買ったのか尋ねられ、「中古のリング。いいのがあって……」。最初はみな驚いたが、街を思う熱意を理解してくれた。当初発起人4人だった支援者は20人以上だ。

 子どもの頃、倒れても立ち上がっていくレスラーをテレビ番組で見て熱狂した杉浦さん。町田市の花のサルビアや市の鳥であるカワセミ、市民の憩いの場の薬師池公園などにちなんだマスクマンを考案し、楽しんでもらいながらネバーギブアップ精神も見せたいと決意するシルクメロン侍さん。この「最強タッグ」は口をそろえる。「誰もが楽しめるプロレスで、町田から日本中に元気を発信したい」

町田の食とユニークなマスクマン

 〈シルクメロン侍〉

 水耕栽培で開発された町田特産品のシルクメロンと侍が融合したという設定。町田プロレスのエース。得意技は町田式水耕栽培固めという足技で、元レスラー谷津嘉章さん直伝の監獄固めを参考にしている。同じく得意技のジューシーカッターは長州力さん直伝のラリアット。決めのセリフは「ジューシーでござる」だという。

 〈力餃山〉

 町田には、おいしい餃子(ぎょうざ)の店が多く集まっていることからキャラクターをつくった。

 〈闘牛モー〉

 町田天満宮にまつられている菅原道真には様々な牛の伝承が残っており、町田にはおいしい焼き肉店が多い。闘牛門で食事をした時にベンチプレス310キロを持ち上げるマスクマンを思いついた。

和牛専門店 闘牛門

(電話042・850・8629)

住所:町田市原町田3の8の6。近くに個室を用意した別館もある。

営業時間:ランチ11:30~14:00

     ディナー17:00~24:00

定休日:なし(年末年始は休み)

平均利用金額:4千円