民意のねじれを生んだ米中間選挙だが、トランプ大統領を熱心に支持する層は健在だ。米中西部のラストベルト(さび付いた工業地帯)に3年ほど通い、アパートにも暮らし、彼らの思いを聞いてきた。同じように米南部に通い、右派の心象風景を描いた著書が全米ベストセラーになった、社会学者アーリー・ホックシールドさん(78)に話を聞きたくなった。(聞き手 ニューヨーク支局・金成隆一)

米社会学者・アーリー・ホックシールドさんに聞く
1940年生まれ。カリフォルニア大学バークリー校の名誉教授。近著に「壁の向こうの住人たち――アメリカの右派を覆う怒りと嘆き」(岩波書店)。

ラストベルトで取材した私への問い

 白人男性らがトランプ氏を熱心に支持する理由は、経済か、人種か――。日本人記者である私(金成)が米中西部のラストベルトで支持者らを2015年から取材してきたと知ると、米国人を含め、多くの人々が私にこんな問いを発する。

 経済的な停滞への不満か、それとも、米国で存在感を増す非白人への差別心なのか。そんな二者択一だ。私は、アジア人の私を自宅に泊まらせ、交際相手についての相談までしてくる彼らの顔を思い浮かべ、当初は「私の取材先は人種差別者ではない。このままでは貧困層に転落しそうだというミドルクラスの不安と不満だと思う」と答えていた。

 ところが、人種の要素が全くないわけでもないだろうな、二者択一の問いの立て方に無理があるのではないか、とも感じていた。そんな時に読んだホックシールドさんの著書は、経済と人種の要因が絡み合う物語を示していた。これは「移民」政策の議論が活発になっている日本にとっても、もはやひとごとではない、と感じている。

超保守的な土地「人々を理解したい」

 ――米南部で暮らす右派の人々を理解したい。そんな思いでルイジアナ州に通ったそうですね。

 「熱心なキリスト教徒と白人が…

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