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 福井県小浜市の指定文化財で、豊臣秀吉の朝鮮出兵後のアジア支配構想を記した「山中橘内(きつない)書状」が修復された。近世に小浜の豪商だった組屋(くみや)家が所蔵していたもので、1981年に市に寄贈された。虫食いなどで傷みが激しかったため、市が朝日新聞文化財団の助成金を受け、4月から京都市の専門業者が修復していた。

 市教委文化課によると、書状は幅27センチ、長さ約2・6メートル。秀吉の秘書役の右筆(ゆうひつ)を務めた山中橘内が、秀吉が朝鮮に出兵した1592年、秀吉の正室だった北政所(きたのまんどころ)の侍女に送ったものだという。戦況報告のほかに、明の都に天皇を移したり、秀吉が明の南部からインドへ交易に出向いたりする構想も記されている。

 組屋家のびょうぶの下張りに使われていたものを、小浜藩士で国学者の伴信友(ばんのぶとも)(1773~1846)が見つけて紹介。組屋家が代々所蔵していた。文化課の川股寛享(ひろたか)学芸員は「修復によって貴重な史料を後世に伝えられる」と話した。

 23~29日、小浜市の県立若狭図書学習センターで開かれる企画展「幕末小浜藩 近代日本を創生した人々の思い」で公開される。無料。問い合わせは文化課(0770・64・6034)。(菱山出)