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 勤務する介護老人保健施設の違法行為を内部告発して不当解雇されたとして、施設に勤務していた男性が施設を運営する医療法人に解雇の無効確認などを求めた裁判の判決が30日、和歌山地裁であり、中山誠一裁判長は解雇無効を認める判決を言い渡した。

 提訴したのは、出口和広さん(42)=日高町。訴状によると、出口さんは、医療法人はしもと(美浜町)が運営する介護老人保健施設に理学療法士として勤務。施設が医師や職員を水増しして登録していること、入所者が虐待されていることなどを2014年に県などに通報したところ、15年12月に突然解雇された。出口さんは、解雇の無効確認や慰謝料などを求めて16年3月に提訴した。

 被告側は、原告の行為は職場の秩序を混乱させるもので解雇は正当と主張したが、判決では、解雇を客観的に合理化できる理由ではないなどとし、解雇の無効を認めた。慰謝料の請求は棄却した。

 判決を受けて出口さんは会見。通報者を守る公益通報者保護法には報復解雇した企業などへの罰則が無いことから、「法律に守られている実感は無かった。法律がもっと前面に出てきてもよいのではないか」と罰則などの導入を訴えた。原告側の代理人弁護士は「通報者が適正に保護されるように、法律の実効性を高める法改正を検討することも必要だ」と指摘した。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(片田貴也)