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 女性がん患者が増加していることを受け、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)は9月、治療だけでなく、病気に伴う外見の変化や妊娠・育児への影響など女性特有の悩みや不安を解決して日常、社会生活が送れるようサポートする「レディースセンター」を開設した。医師や看護師らが連携し、乳がんや子宮がんなどすべての女性がん患者を病院全体で支えていくという。

 開所式で、センター長に就任した秋元哲夫副院長(59)は「女性のがん患者に寄り添い、安心して治療を受けられる体制を構築したい」と語った。

 センターは、患者の治療方針や問題点について診療科の医師だけでなく、看護師ら専門職が連携して情報を共有し、それぞれの役割を生かしてきめ細かい支援に取り組む体制。乳がんなど特定のがんに限らず、幅広い年齢層のすべての女性がん患者を対象に、手術を含めた治療に加え、抗がん剤・放射線治療の副作用や日常生活などの悩みにサポート体制を作って取り組むのは、国内のがん専門病院では初めてという。

 センターの総合的な窓口は、8月に設置された「女性看護外来」になる。診療科の患者で治療以外の悩みがある場合、同外来で支援策を探り、適切な部署につないで解決を図る。また、医師や看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカー、理学療法士らが「多職種カンファレンス(会議)」を定期的に開き、各患者への対応も協議する。

 女性看護外来では専従看護師が相談に乗る。副作用や妊娠への心配、乳房切除や脱毛などの外見の変化といった体への影響のほか、家庭や職場への影響すべてを「自分らしさ」を失う問題としてとらえ、治療費のことも含めて必要なケアを受けられるようにする。

 患者に子どもを持つ30、40代が多いことも踏まえた体制もとる。例えば、子どもに病気をどう伝えたらいいのかという悩みは小児科医と連携▽がん遺伝子の有無で子どもへの影響が心配なら遺伝カウンセラーや主治医と連携▽副作用で髪が抜け、子どもがショックを受けるという相談には認定・専門看護師と連携してカツラの準備を支援する。専従看護師の千葉育子さんは「最終的にすべてをサポートし、患者さんの自分らしさを支えたい」と話した。

 当面は診療科の患者が対象だが、同外来だけの受け入れや、他病院で治療中の患者も同外来を受けられるように検討するという。

 このほか、治療の副作用に悩む患者の外見をケアしたり、患者らの交流を図ったりする患者サロン「柏の葉サロン」も設置した。男性も利用でき、定期的に、眉毛の脱毛や皮膚のくすみを化粧で隠すなどする方法を学ぶカバーメイク教室や体験会、薬の副作用を学ぶ教室などを開く。

 秋元センター長は「年単位、10年、20年長く続くような病気で、最初の治療だけがちゃんとできていればいい、というわけではない」と話し、長い目で様々な角度から対応していく重要性を訴えた。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(上嶋紀雄)