94歳で亡くなったフランスを代表するシャンソン歌手、シャルル・アズナブールさんは、今年9月17日夜、東京・渋谷のNHKホールで歌声を披露していた。約2時間、途中で休憩したり飲み物を口にしたりすることもなく、張りのある声で伸びやかに歌い続けた。後半になるにつれて声のつやが増し、手が時折震える以外は、年齢を全く感じさせなかった。

 アズナブールさんは日本でも人気で、1960年代~70年代のシャンソンブームの中で「帰り来ぬ青春」が大ヒット。「ラ・ボエーム」「哀しみのヴェニス」「世界の果てに」「コメディアン」など多くの曲に日本語詞がつき、日本人歌手に歌われた。今年春の叙勲で、日仏間の文化交流などに寄与したとして旭日小綬章を受章していた。(坂本真子)