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 2度にわたる読者への挑戦状、推理合戦、明かされる意外な犯人と動機――。中国の作家、陸秋槎(りくしゅうさ)さんのデビュー長編「元年春之祭(がんねんはるのまつり)」(稲村文吾訳、早川書房)は、中国語で書かれた「華文(かぶん)ミステリー」の最新形だ。日本の新本格ミステリーに影響を受けながら、独自の趣向も凝らして日本の読者に挑戦する。

 舞台は紀元前100年、前漢時代の中国。都の長安から山中で人里離れて暮らす一族のもとを訪れた巫女(みこ)の於陵葵(おりょうき)は、4年前に当主一家の惨殺事件があったことを知る。現場が奇妙な状況だったことから推理を試みようとするが、その矢先に再び、一族の別の人物が遺体で発見される。

 博識で高飛車な葵は、「論語」や「礼記」など数々の漢籍を引用しながら推理を進めていく。そこで展開される論理の流れや、葵に従う使用人の少女・小休(しょうきゅう)、現当主の娘でワトソン役の観露申(かんろしん)らが繰り広げる会話劇には、日本のミステリーやアニメからの影響が色濃く刻まれている。

 原著の刊行は2016年。「執筆したときは正直、中国での出版も難しいかなと思っていて、日本語で読まれるなんて想像もできなかった」と陸さん。「僕にとって、この作品は日本ミステリーへの恩返し。日本語訳が出せたことは本当に光栄です」

 陸さんは1988年に中国の北…

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