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 大分県宇佐市にUターンした元公務員の男性(69)が2日、自治会への加入を拒まれ、地域で平穏に暮らす権利を侵害されているとして、自治会の新旧区長3人と市を相手取り、330万円の慰謝料を求める訴えを大分地裁中津支部に起こした。

 訴状などによると、男性は2009年に母親の世話などのため、14戸が暮らす集落に関西から移住。母親の他界後、13年に住民票がないことを理由に自治会から外され、市報配布や行事連絡がなくなった。住民票を移したが状態は変わらず、「長期の『村八分』状態による精神的苦痛は筆舌に尽くしがたい」などと主張している。市については、特別職の非常勤公務員である区長(自治委員)を選任した責任などがあるとしている。

 原告側代理人は、背景には住民同士のトラブルもあったとしながら「それでも排除することは許されない」と批判。一方、被告の元区長(66)は「男性を入れるなら集落を出るという住民もいる。裁判で経緯など事実を述べたい」と話している。

 この問題では、男性の申し立てを受けた県弁護士会が17年11月、「明らかな人権侵害」として自治会に是正を勧告している。(大畠正吾)