【動画】ツナ缶作りの実習に取り組む静岡県立焼津水産高校の生徒たち=阿久沢悦子撮影
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 今や日本の食卓に欠かせないツナ缶。昭和初期、その国内第1号を製造したのは、静岡県立焼津水産高の前身、焼津水産学校(焼津市)だった。水産高では今も、生徒らが実習でツナ缶を作り続けている。来年の90周年を前に、2日がかりの製造工程を取材した。

 原材料のマグロは、6月に実習船で海洋科学科の生徒がとってきた近海ものを使う。約10トン、1千本の釣果のうち140本を、食品科学科の2、3年生約80人が缶詰にする。

 前日に冷凍庫から出して解凍した1本7~10キロのマグロを、3年生が一人ずつ抱きかかえるようにしてまな板へ。頭を落とし、腹に包丁を入れて、内臓を取る。かなりの力仕事だ。保苅美希さん(18)は「特に頭はガンガンと包丁に力を入れないと無理」。

 藤原奈央さん(18)が処置ずみのマグロをよろよろと運んできた。「赤ちゃんより重たい」。ラックに入れて98度の蒸気で3時間半蒸し、一晩置く。

 身が固まったところでクリーニングの作業に入る。中骨に沿って包丁を入れ、四つ割りに。一つ一つのブロックの皮を薄くはぎ、表面の黒ずみや血合いを取り除いて真っ白な「ホワイトミート」の塊にする。削り過ぎもだめ。「どんなに機械化が進んでも、この作業は人の手が必要」と高橋キングストーンさん(18)。衛生帽とマスクを着けた生徒たちは約3時間にわたって黙々と手を動かした。

 昼休み後、缶詰作業に入った。ここは機械を使う。ホワイトミートを輪切りにし、缶に。三つのレーンに振り分け、生徒たちが切りくずで加減して重さをならして仕上げていく。調味料は綿実油と塩のみ。うっ血が残り、身が黄色いマグロはフレーク用に崩し、手で缶に詰める。米沢実柚さん(18)は「伝統的な製法で作り続けてきたことは素晴らしいと思う。後輩には100年を超えて作り続けてほしい」。

 ツナ缶は、11月の文化祭(今年は10日)や地域イベントで1缶(90グラム)を生産実費のみで販売する。昨年はフレークが110円、ソリッド(塊)が130円。化学調味料を使わず、素材のおいしさを引き出しているのが特徴で、焼津商工会議所の「焼津水産ブランド」の認定も受けた。文化祭では約2千缶がすぐ売り切れるという。

■「貿易摩擦」に発展するほどの…

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