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 英バーミンガムで開かれている英与党・保守党大会の最終日の3日、メイ首相が演説した。欧州連合(EU)からの離脱後、EU域内で認められてきた「人の移動の自由」を打ち切り、技能の低い労働者の流入を制限する方針を打ち出した。これにより、全体の移民の数を減らす意向だ。

 この方針では、新たに英国に滞在を希望するEU市民は特別扱いをしないことになる。しかしEUは、「人、モノ、金、サービスの移動の自由」は不可分だとしており、反発は必至。今月と来月に予定されるEU首脳会議での決着は依然、見通せない状態だ。

 党大会では、離脱後も貿易ではEUルールを受け入れるとする政府方針に多方面からの批判が噴出。党内の激しい路線対立を浮き彫りにした。次期党首と首相の座を公然と狙う強硬離脱派のジョンソン前外相は、政府方針ではEU支配から抜けられず「詐欺だ」と批判。満員の会場は盛り上がりを見せた。党内の最強硬派グループを率いるリースモグ議員も政府方針を「支持しない」と明言、支持者を熱狂させた。

 一方、親EU派も政府方針を嫌う。グリーニング前教育相はEU残留も視野に入れた国民投票の再実施を求めるイベントに参加。政府方針では仮にEUと合意できても英国議会で否決されるとの見通しを示した。

 メイ氏が移民規制を強調するのは、「メイ降ろし」をちらつかせる強硬離脱派が好む政策を押し出して牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。演説には満場の拍手が送られ、当面の信任を得たといえる。(バーミンガム=下司佳代子)